蜜の味

さいきん読んだ本の影響で、なるべく体にやさしいような食事を心がけたい今日このごろ。

 

たまたま市内に天然の蜂蜜を作っている養蜂家がいらっしゃると聞き、紅葉に色づく山並みと稲刈りを終えた稲田が広がる景色の中を愛車を走らせた。

 

一見してただの民家をくぐると、とても人懐こい老夫婦がとても澄んだきれいな蜂蜜の瓶を用意して待っていてくれた。

 

ご夫婦はとてもお喋り好きで、知り合いから頼まれて蜂蜜の中にスズメバチを漬けたものを作ったところ、お酒好きにも関わらずそのお知り合いはスズメバチエキスのおかげで長生きされた、なんて話まで聞いた。庭で採れた柿までお土産に持たせてくれて、あたたかい人柄にだいぶ絆されてしまった。

 

自宅用にひとつと、さいきん著者を送ってくれた学生時代にお世話になった恩師へのプレゼントにひとつ買って帰った。久しく「中国産ではない」蜂蜜を探していたあの先生は喜んでくれるだろうか。

 

無添加の蜂蜜の雑味のない澄んだ甘さや田舎のあたたかさを以ってしても、スズメバチ入りの蜂蜜は遠慮したいなと密かに思ったのはここだけの話である。